理系のための微分・積分復習帳(講談社ブルーバックス)
高校の微積分からテイラー展開まで
ISBN:978-4065020432 2017年12月発行
第1章 微分とは、なんだろう?
第2章 関数の微分のルール
第3章 指数と対数
第4章 三角関数
第5章 積分は微分の逆?
第6章 積分の公式
第7章 大学につながる数学
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はじめに
「微分と積分」
この2つは、現代社会を支える様々な科学(物理学や化学から経済学まで)の、いわば根幹をなす数学で、基本的な考え方は高校で学びます。しかし、この微分と積分は、「一度勉強したけれども、いま一つよくわからなかった」とか、「実は苦手なんだ」という方も少なくないと思います。本書は、そういう方を対象として、高校で習う微分と積分を「高校数学の知識があやふやな方が読んでもわかるように」解説することを試みます。
筆者はこれまでに大学の学部レベルの数学と物理学の解説者として、「高校数学でわかる」シリーズなど10冊以上のブルーパックスを出版しました。比較的高度な内容が含まれているにもかかわらず、幸いにして多くの読者からご支持をいただいています。しかし、一部の読者からは「前提となる高校レベルの微積分の知識が十分ではないので、そこを補充する解説書を書いてほしい」というご要望も届いています。本書はそのようなご要望にも沿うよう努力しました。
そして最終章では、他書ではあまり触れられることがない、大学初年級の微積分につながる数学を紹介しています。
それでは、さっそく読み始めてみましょう。微分と積分を学び始めると、そのパズルを解くような論理の構造が、実はとてもおもしろいことに気づくと思います。最初は高校数学の知識があやふやな方でも、本書を読み終えたときには、高校の微積分に加えて、大学初年級につながる数学の知識を身に付けていることでしょう。