ロマンチック街道訪 問記(上)(下)  Amazon Kindle

            
 

まえがき

1992年の9月から1年間、筆者は当時勤めていた富士通研究所からドイツのシュツットガルトのマックスプランク固体研究所(Max-Planck-Institut für Festkörperforschung)に留学した。赴任後、3週間ぐらいで中古のフォルクスワーゲンのパサートを購入して、週末にはドイツの各地をめぐり始めた。アウトバーンを利用すれば、100キロ離れていてもドアツードアで片道2時間ほどで到着できる。ロマンチック街道はシュツットガルトの東側約60キロほどに位置し、街道は北からほぼ真南に走っている。このためアクセスは容易だった。
本書の草稿はドイツからの帰国後すぐに書き上げたが、長く数台にわたるPCのハードディスクに眠り続けていた。1992年というと30年近い昔だが、ロマンチック街道の佇まいは今もほとんど変わらないようだ。かつてロマンチック街道を訪れた方も、そしてこれから訪れる人も本書を通じてあの街道での時間を共有していただければ幸いである。