高校数学でわかる相対性理論(講談社ブルーバックス)

ISBN978-4062578035  2013年2月発行

 

 

第1部 ローレンツ変換からミンコフスキー空間まで
  第1章 相対性理論前夜――何が謎だったのか
  第2章 相対性理論の登場――アインシュタインの独創
  第3章 ローレンツ変換が教える異様な時空間
  第4章 ミンコフスキー空間――新しい時空間の描像

 

第2部 相対論的力学編
  第5章 相対論的力学の構築
  第6章 相対論的力学の体系化――4元ベクトルとテンソル

 

第3部 電磁気学編
  第7章 電磁気学と相対性理論――微分形のマクスウェル方程式
  第8章 電磁気学はどう変わるか?

 

----------------------------------------
はじめに

 相対性理論、誰もが一度はこの言葉を聞いたことがあるでしょう。20世紀初めの1905年に、スイスの特許局に勤める無名の青年アインシュタインが地上に送り出した理論です。

 当時の物理学は、ニュートンが生み出した力学と、マクスウェルが基本的な方程式をまとめた電磁気学から構成されていました。アインシュタインの相対性理論は、これら既存の物理学に大きな衝撃を及ぼしました。特に重要なのは、本書でこれから見て行くように、時空間の概念を大きく変えたことです。このため学界での巨大な影響だけでなく、一般の人々にもアインシュタインの名と相対性理論という言葉が広く知られるようになりました。

 さて、このように有名で重要な相対性理論ですが、その中身を理解できた人は、そう多くはないでしょう。本書を手に取った読者の中には、入門書を何冊か読んでみたが、どうも要領を得ないという方もいらっしゃるかもしれません。アインシュタインは1905年に特殊相対性理論を発表し、その10年後には適用範囲を拡大した一般相対性理論を発表しました。本書では特殊相対性理論を扱いますが、その数学のレベルは、実はそれほど高くないのです。高校の数学と物理学の知識があれば、特殊相対性理論をほぼマスターできます。

 本書では、ほぼ大学の学部レベルの相対性理論が理解できるよう構成を工夫してみました。これから相対性理論を学び始める方だけでなく、かつて学習を試みてつまずいてしまった方にもお役にたてることでしょう。ところどころ数学のレベルが上がるところがありますが、紙とペンを用意して手計算で確かめていただくと、理解が容易になることでしょう。本書を読破して、「おわりに」までたどり着いたとき、新たな時空間の描像が脳内に構築されていることを期待しています。

それでは、相対性理論の旅に出発しましょう。
 
---------- 訂正---------------
3刷りまで)
p.186
 5行目 上付き→下付き
 6行目 下付き→上付き
 
1刷まで)
p.100 アーマン・ミンコフスキー ---> ヘルマン・ミンコフスキー

 

*** アインシュタインの生誕地ウルム ***

教会の塔 (筆者撮影のビデオ映像からの合成)

塔の最上部 中心は螺旋階段 (体力の限界で登頂を断念しました)

塔から見下ろした教会前広場

塔から見た駅前 (アインシュタインの生誕地は駅前です) 1993年撮影