高校数学で学ぶディープラーニング

       ―画像認識への入門コース  (東京図書)

ISBN-13: 978-4489023897 2022年7月発行
   
                   東京図書株式会社(掲載プログラムDL)
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ディープラーニングや画像認識を、はじめて学ぶ人のための入門書。
「自分のパソコンで、実際に体験し、操作してみたい! 」
「勾配降下法、誤差逆伝播法、畳み込みニューラルネットワーク、
リカレントニューラルネットワークとか、一体、何なの?」
そんな方のための、最短コースの本です。
必要な知識は高校数学レベルにとどめ、
つまずきがちな数式も途中の計算まで詳しく説明しています。
 
はじめに

第1章 神経の模倣
    ――学習する機械のモデルは何?――

第2章 画像認識への第一歩
    ――手計算とプログラムによるパラメーターの決定――

第3章 勾配降下法と合成関数の微分
    ――パラメーターをいかにして最適化するか――

第4章 誤差逆伝播法
    ――隠れ層のパラメーターの最適化とは――

第5章 ディープラーニングの実践
    ――さっそく操ってみよう!――

第6章 ニューラルネットワークのモデルの改良
    ――もっと使いやすく! もっと便利に!――

第7章 畳み込みニューラルネットワーク
    ――謎の言葉「畳み込み」?――

第8章 リカレントニューラルネットワーク
    ――リカレントって何?――

補章 高校数学の補強編 微分を思い出そう!
   ――微分と勾配の関係は?――

おわりに

参考文献
 
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はじめに
 
「人工知能」や「AI」そして「ディープラーニング」などの言葉をよく耳にするようになりました。また,人工知能が自動運転に使われたり,健康状態の画像診断に使われているというニュースもよく耳にします。2020年代に入って,飛躍的な進展をみせている技術が,人工知能です。英語ではArtificial IntelligenceでAIと略されます。そして,この急激な人工知能の発展を支えているのが「ディープラーニング」と呼ばれる技術です。

このディープラーニングを理解し,修得し,実際に使ってみたいと思っている方は多数いらっしゃることでしょう。しかし,入門書を手にしてみても途中でつまずいた方は少なくないでしょう。また,仮に入門書を読破できても実際にディープラーニングを操作し実行するレベルにはいたらない方もかなりいらっしゃることでしょう。

本書は,「実際に自分自身の頭脳と手を使ってディープラーニングを体験し操作してみたい!!」と考える方を対象としています。最短コースで「ディープラーニング」の学問的な体系を学習し,さらにプログラミングも体験し,そして自らニューラルネットワークを操れるようになることを目的としています。ディープラーニングがめざましい成功を納めているのは,画像認識の分野です。自動運転や健康状態の画像診断でもディープラーニングによる画像認識が不可欠です。本書の後半では画像認識のための基礎的なニューラルネットワークの構築にも挑戦します。

本書を読破するために必要な知識のほとんどは高校の数学レベルにとどめています。また,高校数学をわずかにこえる内容には解説を施しています。読者がつまずきがちな個々の数式の展開も詳しく説明しています。特に高校数学の知識を補強するために,

★行列は,高校数学で教えない期間があったので第1章の後半で解説しました。
★指数関数や対数関数を始めてみる方は、第1章から第3章の章末のコラム「高校数学補強編」をご覧ください。
★また、微分が初めてとか、記憶があいまいな方は、後ろの補章「高校数学の補強編 微分を思いだそう!」をご覧ください。

ディープラーニングは,21世紀の科学の発展を代表するすばらしい技術です。さっそくこのディープラーニングを理解し,そして操るための旅に出発しましょう。
 
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訂正
  p.39   S = - k loge W = - k ln W  ------>  S = k loge W = k ln W